大判例

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大阪地方裁判所 昭和62年(ワ)9938号 判決

原告

池内清雄

岡田達雄

米田佳子

高木武男

田中利子

今泉今日子

櫻井絹子

松田千恵美

山下良雄

中原和代

栗林啓治

大野裕次

藤本恵子

桝田秀則

桝田千代子

元野若子

岡田法子

西田純明

千葉孝子

中川武

福田真弓

硲恵美子

硲千代

硲巍

右原告ら訴訟代理人弁護士

宮地光子

村本武志

松田繁三

安達徹

原田次郎

横山精一

被告

長谷川義秀こと

金陽広

(以下「被告長谷川」という。)

右訴訟代理人弁護士

梶谷哲夫

被告

天野光祥

(以下「被告天野」という。)

右訴訟代理人弁護士

森博行

被告

金澤孝昭こと

金東亨

(以下「被告金澤」という。)

千川政夫

(以下「被告千川」という。)

右二名訴訟代理人弁護士

佐々木寛

被告

東熙こと

東裕雅

(以下「被告東」という。)

野口茂美

(以下「被告野口」という。)

柳生康玄

(以下「被告柳生」という。)

右訴訟代理人弁護士

村地勉

被告

今井清

(以下「被告今井」という。)

右訴訟代理人弁護士

三上陸

被告

橋本三朗

(以下「被告橋本」という。)

山本充伴

(以下「被告山本」という。)

右訴訟代理人弁護士

村地勉

被告

磯山弘こと

磯山嘉弘

(以下「被告磯山」という。)

松本鐘秀こと

李鐘秀

(以下「被告松本」という。)

森園嘉春

(以下「被告森園」という。)

平田一也こと

平田稔

(以下「被告平田」という。)

主文

一  別紙「請求金額及び認容金額一覧表」の被告欄記載の各被告は、同表の対応する原告欄記載の各原告に対し、各自、同表の認容金額の合計欄記載の各金員及びこれに対する同表の対応する遅延損害金起算日欄記載の各日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。

二  原告高木武男の被告今井に対する請求を棄却する。

三  原告藤本恵子の被告長谷川、同天野、同金澤、同千川、同野口、同今井及び同平田に対するその余の請求をいずれも棄却する。

四  訴訟費用は被告らの負担とする。

五  この判決は、原告ら勝訴部分に限り、仮に執行することができる。

事実及び理由

第一原告らの請求

別紙「請求金額及び認容金額一覧表」の被告欄記載の各被告は、対応する同表の原告欄記載の各原告に対し、各自、同表の請求金額の合計欄記載の各金員及びこれに対する同表の対応する遅延損害金起算日欄記載の各日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。

第二事案の概要(略語例は別紙「略語例」のとおり)

一政府が、昭和四四年、むつ小川原開発計画を発表し、青森県上北郡の開発が行われることが明らかになり、その後、三陽商事及び三青商事が、青森県上北郡の山林原野を仕入れた上、仕入値に比して高額な値段で販売していたことは原告らと被告長谷川、同天野、同金澤、同千川、同柳生、同今井及び同山本の間に争いがない(被告東、同野口、同橋本、同磯山、同松本、同森園、同平田については証拠により明白。)。

原告らは、本件各社の従業員らにより、青森県の山林原野がむつ小川原開発計画の影響で値上がりするなどの言葉で勧誘され(具体的には別紙「取引目録(1)ないし(24)」の勧誘文言・方法欄記載のとおり)本件各土地の購入等をしたが、本件各土地は値上がりの見込みのない無価値なものであって、本件各社の販売等の行為は違法な詐欺的商法(いわゆる原野商法)にあたり、これにより本件各土地購入代金等相当額の損害を被ったとして、本件各土地の販売会社の経営者、従業員等である被告らに対し、不法行為(民法七〇九条、七一九条)等に基づきその損害の賠償を求めている。

これに対し、被告らは、むつ小川原開発計画は順調に推移しており、本件各土地は値上がりの可能性がある土地であると主張するとともに、個々的には本件各社への関与の有無・形態等を争い、その責任がない旨主張し、予備的に、過失相殺及び損益相殺の主張をしている。

被告橋本、同磯山、同松本、同森園及び同平田は、公示送達による適式の呼出しを受けたが、本件口頭弁論期日に出頭しないし、答弁書その他の準備書面も提出しなかった。

二争点

1  本件各取引が行われたことは認められるか。

(一) 原告らの主張

原告らは、別紙「取引目録(1)ないし(24)」記載のとおり、各勧誘員の勧誘行為により、各販売会社から土地を購入したり、各測量会社に測量を依頼するなどして、各支払金額欄記載の金員を支払った。

(二) 被告らの主張

(1) 被告長谷川の主張

本件各取引は不知。

(2) 被告天野の主張

本件各取引のうち、三青商事が販売会社であるものの物件名、契約日、売買代金及び支払日は認め、その余は不知。

(3) 被告金澤及び同千川の主張

本件各取引は不知。

(4) 被告柳生の主張

契約番号4の取引は、原告欄の記載及び勧誘文言・方法欄のうち、「むつ小川原開発で開ける。石油備蓄基地もできて人も大勢入ってくるから土地需要も増える。政府も開発計画を立てている。」との部分を認め、勧誘文言・方法欄のその余の部分は否認し、その余は不知。

契約番号7の取引は、被告柳生が勧誘員であることを否認し、その余は不知。

契約番号13の1の取引は、被告柳生が退社した後に取引がなされたものである。

契約番号14の1、同15の1、同22の1、2の取引は不知。

(5) 被告今井の主張

三陽商事及び三青商事の営業社員が、原告らの自宅を訪問して、本件各土地につき「むつ小川原計画の影響で、工業地帯のベッドタウンになるので、二、三年後には会社が責任をもって転売する。買値の二倍以上に儲かる」旨説明したことは認める。ただし、被告今井が直接関与したものは、契約番号3の3、同7、同12の1ないし3、同13の2だけである(同3の2については認否を留保。)。

(6) 被告山本の主張

契約番号1の1ないし5、同4、同9の1、2、同10の1、2、同12の7、同18の1、2、同19の1ないし4の取引は、不知。

2  被告らによる本件各取引は詐欺と評価できるか(本件各土地の無価値性及びこれに対する被告らの認識並びに背景事情)

(一) 原告らの主張

むつ小川原開発計画は、オイルショックにより頓挫しており、しかも、販売土地は開発区域外にあって、建物を建てられないような山林原野であり、ほとんど無価値で、値上がりの可能性もないものであった。被告らは、右事実を知りながらこれを原告らに隠蔽したばかりか、本件各土地の購入が銀行預金等よりも有利かつ安全確実な利殖方法である旨説明し、かつ、本件各土地を将来本件各社が買い取ることなどを約束して勧誘し、原告らをその旨誤信させて、本件土地等を正常価格の一〇〇倍を超える価格で売却したものである。

(二) 被告長谷川、同天野、同金澤、同千川、同柳生、同今井及び同山本の主張

むつ小川原開発計画は昭和五四年ころから着々と実施に移され、むつ小川原工業基地構想の中核をなす「むつ小川原港」の整備はほぼ完了し、「むつ小川原国家石油備蓄基地」も稼働している。また、新市街地(A住区、B住区)の整備、鉄道(東北新幹線)、道路(東北縦貫自動車道八戸線)の建設工事も順調に進んでおり、本件各土地の地域は、東日本の市場開拓の中心になり得るものとして大きな期待がかけられている地域である。本件各土地は、新市街地として完成している「A住区」又は「工業基地」から遠くても約一〇キロメートルの圏内にあり、むつ小川原開発計画による波及効果を十分に受け得る土地である。

むつ小川原開発計画が廃止されることなく、順調に進んでいる現実は、本件各土地が極めて高い投機性を有していることを如実に示しており、本件各売買が「投機」を目的に行われている以上、本件各社の販売方法に若干の問題点があることは認めざるを得ないが、本件各売買に入った原告らの思惑が外れたことをもって直ちに被告らを「加害者」、原告らを「被害者」と捕らえるのは誤りである。

また、本件各土地の仕入価格は、坪当たり約二四〇〇円であり、販売価格との差は一〇倍弱程度の開きしかなく、人件費その他の会社維持費を原価に含ませて考えると販売価格との開きは五倍程度のものでしかない。

したがって、本件各土地が将来騰貴する見込みのない低廉な物件であることを前提にする詐欺の主張は争う。

3  被告らの本件各社における地位及び責任の存在

(一) 原告らの主張

被告長谷川は、本件各社の最高責任者として、被告天野は、本件各社の経理・仕入担当専務として、被告金澤は、詐欺商法の営業面を統括する幹部として、被告千川は、本件各社の総務の責任者たる幹部として、それぞれ経営に関与した者である。

右被告四名は、本件各社の商業登記簿の役員欄に名を連ねることを避け、部下の名を借りることにし、三陽商事の代表取締役として被告橋本、取締役として被告山本らが就任し、三青商事の代表取締役として被告東(後に被告平田)、取締役として被告野口及び同柳生、監査役として被告今井らが就任し、それぞれその旨の登記をした。

また、被告金澤、被告東、被告柳生、被告今井、被告橋本、被告磯山、被告松本及び被告森園は、直接勧誘行為をし、本件各取引に関与した者である。

よって、被告らは、別紙「責任原因一覧表」記載の責任原因により、原告らに対し損害賠償責任を負うものである。

(二) 被告らの主張

(1) 被告長谷川

被告長谷川は、三陽商事及び三青商事の実質的経営者であったが、日昇観光、国土観光及びユニオンプランニングには一切関与していない。また、三青商事及び三陽商事に関与していたのは、昭和五九年末までであり、それ以降は経営には一切関与していない。

(2) 被告天野

被告天野は、昭和五二年ころに三陽商事に入社し、昭和五七年七月ころ三青商事に転じ、昭和六一年一〇月ころまでいずれも経理事務担当職員として(取締役ではない)、三陽商事在職当時は月額約二五万円、三青商事在職当時は月額約四五万円の給与の支払を受け、金銭出納等の業務に従事してきたものである。

したがって、被告天野は、三青商事及び三陽商事の役員でも、実質的な経営者でもなく、単なる会計事務を取り扱う一使用人に過ぎなかったのであるから、原告らに対し賠償責任を負うものではない。

また、被告天野は、日昇観光、国土開発センター、国土観光及びユニオンプランニングの各会社とは関係がなく、右各社を指導した事実もないから、右各社の販売等によって原告らの被った損害の賠償の責任を負うものではない。

(3) 被告金澤

被告金澤が三陽商事に勤務していたことは認めるが、本件各社の営業責任者として実質的に本件各社を経営し、各社役員及び従業員を指揮・指導していたことは否認する。

(4) 被告千川

被告千川が三陽商事に勤務していたことは認めるが、本件各社の経理責任者として実質的に本件各社を経営し、各社役員及び従業員を指揮・指導していたことは否認する。

(5) 被告野口

被告野口は、三青商事の取締役に就任したこともなければ、同社に在籍したこともない。被告野口は、昭和五五年九月二〇日から昭和六一年五月までの間、三陽商事に在職していた。昭和五七年ころ、上司から、新会社の発起人として名前を貸してほしいとの依頼を受けて承諾したことはあるが、取締役に就任したことは知らなかった。後にマスコミ等で報道されるようになってから初めて知り、上司に話をすると、君は何も心配することはない、会社がすべて処理するから迷惑を掛けないとの返事であった。

(6) 被告柳生

被告柳生は、三青商事の取締役に就任したことはなく、取締役就任登記がなされることを承諾したこともない。右登記は三青商事が無断でしたものである。また、被告柳生は、三青商事の一営業社員であって、従業員を指揮・指導し販売行為を行わせたことは一切ない。なお、被告柳生は、昭和五八年五月ころ三青商事を退社している。

(7) 被告今井

被告今井が三青商事の監査役に就任したのは形式的なものであって、実質的経営に関与したことはない。営業の指揮命令は被告金澤から受けていたものである。

(8) 被告山本

被告山本は、三陽商事の取締役に就任したことはなく、取締役就任登記がなされることを承諾したこともない。右登記は三陽商事が無断でしたものであり、被告山本は取締役登記がなされていることを知って、三陽商事に対し何度も右登記の末梢を要求している。また、被告山本は、三陽商事の一運転手であって、従業員を指揮・指導し、販売行為を行わせたことは一切ない。なお、被告山本は、昭和五七年七月ころ、三陽商事を退社している。

4  過失相殺が認められるか

被告長谷川、同天野、同金沢、同千川、同柳生、同今井及び同山本は、「原告らは、現地調査、県当局への問い合わせ等簡単になし得る調査を一切せずに被告らの勧誘文言を安易に信じたものであり、重大な過失があるというべきであるから、過失相殺の割合は五〇パーセントとするのが相当である。」と主張し、原告らは、「被告らは、不動産業者であり詐欺的販売行為を行った本人であるから、過失相殺を主張することはできない。」旨主張する。

5  損益相殺が認められるか

被告長谷川、同天野、同金沢、同千川、同柳生、同今井及び同山本は、「本件各土地には坪当たり二四〇〇円の経費がかかっており、本件各土地の坪数に応じた損益相殺がなされるべきである。」と主張し、原告らは、「本件各土地は利用可能性も換金可能性もなく、原告らにとって全く無価値なものであり、損益相殺の対象にはならない。」旨主張する。

第三争点に対する判断

一争点1(本件各取引の有無)について

原告ら・被告天野間においては、三青商事が販売会社である取引(別紙「責任原因一覧表」記載の被告天野欄の責任原因②の契約番号の取引)の物件名、契約日、売買代金及び支払日につき争いがなく、原告ら・被告柳生間においては、契約番号4の取引の原告欄の記載及び勧誘文言・方法欄のうち、「むつ小川原開発で開ける。石油備蓄基地もできて人も大勢入ってくるから土地需要も増える。政府も開発計画を立てている。」との部分につき争いがなく、原告ら・被告今井間においては、契約番号3の3、同12の1ないし3、同13の2の勧誘員が被告今井であることにつき争いがなく、右当事者間のその余の部分及びその余の当事者間の取引等については、別紙「認定証拠一覧表」の番号1記載の各証拠及び弁論の全趣旨によると、本件各取引が行われ、代金として別紙「取引目録(1)ないし(24)」の支払金額欄記載の各金員が支払われたことが認められる(ただし、別紙「取引訂正目録(1)ないし(4)」の各記載部分のとおり訂正する。契約番号13の3の取引の支払金額については、金一〇〇万円を支払った旨の領収証(〈書証番号略〉)があるが、原告藤本恵子本人によれば、実際の支払金額は金七五万円であると認められる。)。

二争点2(本件各土地の無価値性及びこれに対する被告らの認識並びに背景事情)について

1  前記争いのない事実、別紙「認定証拠一覧表」の番号2記載の各証拠及び弁論の全趣旨を総合すると、次の事実が認められる。

(一) 本件各土地の価値について

昭和四四年五月、政府がむつ小川原開発計画を発表すると、青森県上北郡六ケ所村の開発予定地を中心として投機的な土地売買が始まり、昭和四五年四月に青森県庁内に陸奥湾小川原湖開発室が設置されると、上北郡の六ケ所村、東北町、野辺地町及び横浜町の一帯の山林原野が不動産業者に買い上げられるようになった。昭和四六、七年ころには標準的な取引価格が一平方メートル当たり約五〇〇円程度にもなり、幹線道路に面しているような山林原野であれば、一平方メートル当たり一二〇〇円という価格が付くところもあった。

ところが、昭和四七年に発表されたむつ小川原開発第一次基本計画で開発区域が当初の予想よりもはるかに縮小され、その後の石油ショックの影響もあって開発区域内外の土地ブームは急速に鎮静化し、さらに、昭和五〇年に発表された第二次基本計画では、石油備蓄基地などの規模も縮小され、右石油備蓄基地建設によって開発区域外の土地の取引価格が高騰することは到底望めない状況になった。本件各土地は、むつ小川原開発計画の区域から完全に外れており、仮に、居住地区(A住区、B住区等の新市街地)の建設等があったとしても何らの波及効果も期待できないところであり、開発に伴う地価の値上がりは全く期待できない状況であった。現実の取引状況としては、開発区域外の六ケ所村、東北町、横浜町及び野辺地町の山林原野(本件各土地を含む。)は、昭和五五年から六一年にかけて、おおむね一平方メートル当たり一〇〇円ないし三〇〇円の価格で取引され、道路に面し、集落に近い場所であっても一平方メートル当たり五〇〇円程度の価格であり、五〇〇円を超すような取引はほとんどなかった。また、これらの山林原野は、市街地から遠く離れたところにあり、電気、水道、ガスを引くためには莫大な費用がかかり、宅地への転用はおよそ考えがたく、畑などとしての利用価値しかなかった。これが一筆当たり五〇坪程度に細かく分筆された場合には、その利用方法、開発コスト等からみて、市場価格を付けるのも困難な程に価値が乏しくなり、利用可能性又は換金可能性がほとんどないものであった(ちなみに、被告長谷川本人は、他に転売するとすれば、本件のように買主を騙して売り付けるしかないと述べている。)。

(二) 株式会社むつ(三陽商事の前身)の営業内容

被告長谷川は、昭和五二年九月ころから株式会社むつで働くようになり、値上がりの見込みのない二束三文の山林原野を、「この土地は将来開発されて値上がりする。五年位たったら二倍位にはなる。国等が買い上げてくれる。五年位持っていてくれれば会社で責任をもって買い上げるか転売してあげる。」などと述べて売り付けていたが、同社の他の経営陣らが退社していったこともあり、昭和五三年ころには同社の実権を握るようになった。

被告天野は、松前鉄郎らとともに、昭和五二年一〇月、東洋開発センターを設立し、青森県の山林原野の仕入販売を行っていた。そして、昭和五三年の春ころ、東洋開発センターの営業権一切が株式会社むつに買い取られることになり、被告長谷川は、東洋開発センターの代表取締役である松前鉄郎から同社の実印や会社登記関係書類を譲り受け、同社を実質的に支配するようになった。そこで、被告天野は、同年六月ころから株式会社むつで働くことになり、主として青森県上北郡の前記(一)のむつ小川原開発計画の開発区域外の山林原野を仕入れる仕事を担当するようになった。

なお、被告金澤、同千川、同東、同野口、同今井、同橋本、同山本、同磯山、同松本らは、昭和五五年ころまでに株式会社むつに入社し、従業員として働いていた(被告松本は昭和五五年八月ころ退社)。

(三) 三陽商事の陣容

被告長谷川は、株式会社むつの顧客からの苦情が多くなってきたため、昭和五五年一月に東洋開発センターの商号を三陽商事と改め、株式会社むつの社員をほとんど三陽商事に移籍した上、三陽商事の名前で株式会社むつと同様の方法で山林原野の販売を行うことにした。その際、被告長谷川、同天野らは三陽商事の中心的人物でありながら、その役員に名を連ねることを避け、被告長谷川の指示により、代表取締役は被告橋本、取締役は被告山本らが名目上就任することになり、その承諾を得た上で取締役就任登記がされた(被告橋本は昭和五九年一〇月二二日に辞任)。

三陽商事では、被告長谷川が会長として実質的な経営を行い、総務経理関係の仕事と土地の仕入れを被告天野が専務の肩書を用いて担当し、被告橋本が、同天野とともに総務の仕事を統括した。また、被告千川は、同天野の下で総務経理等を行い、被告野口及び同山本は総務社員として勤務した。そして、被告金澤が、営業の責任者として営業全般を統括し、被告今井及び金本茂雄が営業課長、被告磯山、同松本等が営業社員として後記(四)記載内容の営業活動(勧誘行為等)を行った。

また、株式会社むつから移籍した者以外に、被告柳生、同平田、同森園及び株式会社むつを退社していた被告松本らがそれぞれ三陽商事に入社して、営業社員として後記(四)記載内容の営業活動を行った。

(四) 三陽商事の営業内容

被告天野は、青森県上北郡野辺地町、同郡六ケ所村、同郡横浜町、同郡東北町等の山林原野を一平方メートル当たり約三五〇円で仕入れ、三陽商事の営業部門では、右山林原野を五〇坪当たりおおよそ一〇〇万円から一二五万円(一平方メートル当たり約六〇六〇円から七五七五円)で売却した。右売却に際して、三陽商事の営業社員らは、「預貯金、株式、書画骨董、土地の中で、土地が値下がりすることもなく一番安全で確実な投資方法である。むつ小川原開発計画の進む青森県の土地を買えば将来必ず値上がりし預貯金よりも有利である。」「四、五年(又は二、三年)の間に二倍位には必ず値上がりする。」「将来国が買い上げてくれるので会社で必ず転売の世話をする。」「買ってもらった土地を転売すると利益に税金がかかる。税金がかからないようにするため別の土地を買ってほしい。この土地も買値以上で転売する。」などの勧誘文言を用いていた。右勧誘文言は、株式会社むつの時代から、被告長谷川、同天野、同金澤、同東らが営業社員に教示していたものである。また、営業社員の勧誘により取引が締結され、買主に現金の持ち合わせがない場合には、即時に営業社員が買主から預金通帳、印鑑、払戻しの委任状等を預かり会社に持ち帰った上、総務社員が右通帳等を用いて郵便局や銀行から払戻しを受けたり預金を解約したりして金員を受け取り、その金員を売買代金の支払に充てるなどしていた。

しかし、三陽商事には売却した山林原野の転売又は買取りなどを行う部署はなく、業務として右勧誘文言のような転売や買取りをしておらず、実現の見込みは全くなかった。

そして、被告長谷川をはじめ、三陽商事の幹部及び末端の従業員に至るまで、その認識の程度に差こそあるものの、本件各土地が数年間で急激に値上がりするものでないこと、転売が著しく困難又は不可能であることを知悉していた。

(五) 三青商事の陣容及び営業内容

被告長谷川は、三陽商事の顧客からの苦情が増えて来たこと、及び、被告今井が営業に関して売上を伸ばしていたことから、三陽商事とは別に会社を設立し、被告今井を中心に三陽商事と同様に山林原野の販売活動を行うことにし、昭和五七年六月ころ、三陽商事の会長室に、被告天野、同金澤、同千川、同今井、金本茂雄ら三陽商事の幹部を集め、その旨を告げた。そして、同年七月ころに三青商事が設立されたが、被告長谷川、同天野らは役員欄に名前を連ねることを避け、代表取締役には被告東、取締役には被告野口、同柳生ら、監査役には被告今井がそれぞれ名目上就任することになり、その承諾を得た上、その旨の登記をした(被告東は昭和五八年一一月一九日に辞任し、同日から被告平田が代表取締役に就任。被告柳生は昭和五八年一一月一九日に就任。)。

三青商事においては、被告長谷川が会長として実質的経営を行い、被告天野が総務経理関係の統括と土地の仕入れを行い、被告千川は総務経理関係の職務を担当していた。また、総務社員としては被告山本らがおり、被告今井は営業部門全般の統括者として営業部長に就任し、営業社員として被告磯山、同松本、同平田らがおり、また、三陽商事を一旦は退社していた被告柳生が再び入社し営業社員として営業活動を行っていた。

三青商事の営業においても三陽商事と同様の勧誘文言を使用していたが、それらの勧誘文言内容が実現可能性のないものであることは三陽商事の場合と同様で、被告長谷川らの経営陣から従業員に至るまでそのことを認識していた。

(六) その他の本件各社の営業内容

被告長谷川は、昭和五七年ころ、土橋秀樹に資金を渡してユニオンプランニングを設立させ、三陽商事や三青商事と同様に、被告天野に山林原野の仕入れをさせた上、右山林原野が数年で値上がりするなどと虚偽の事実を告げて勧誘する販売行為を行わせた。そして、昭和五九年には、被告長谷川の指示により、被告東がユニオンプランニングの代表者となって三陽商事と同様の営業活動を行った。

さらに、被告天野は、昭和六一年ころ、被告長谷川の指示で青森県を本店所在地とする日昇観光を設立し、その後、被告今井が日昇観光らの責任者となり、三陽商事や三青商事と同様の方法で売れ残った山林原野を売却していた。

また、以上のようないわゆる原野商法の営業が行き詰まって来たことから、被告今井は、被告天野の指示を受け、被告長谷川の了解を得た上、国土開発センターの名前を用いたり、国土観光を設立したりして、他の本件各社が山林原野を販売した者らに対し、右山林原野の転売をする意思も能力もないにもかかわらず、「売却した土地の転売をするために測量が必要である。」などと告げて測量代金を騙し取っていた。

2 右1(一)ないし(六)の認定事実によれば、本件各取引が行われた時期である昭和五六年から同六一年ころにおいては、本件各土地が数年のうちに数倍に値上がりしたり、国等が本件各土地を買い上げたりする可能性は全くなく、本件各土地は、原告らにとって極めて価値の乏しいもので、本件各取引時において、被告らは右事実を認識しつつ、一平方メートル当たり約三五〇円で購入した土地を、一平方メートル当たり約七〇〇〇円で売却するなどの本件各土地の販売活動を組織的・継続的に行っていたということができる。したがって、本件各取引を含む本件各社の販売等の行為が、詐欺商法に当たり、これが違法であることは明らかである。

三争点3(被告らの本件各社における地位及び責任の存在)について

1  被告長谷川、同天野、同金澤及び同千川

(一) 前記二1の認定事実によれば、右各被告の本件各社における地位は次のとおりであるということができる。

(1) 被告長谷川は、本件各社の実権を握り、その経営全般につき統括する立場にあり、本件各社の営業につき指揮・支援をして、詐欺商法(いわゆる原野商法)による組織的継続的な詐欺行為をさせていた。

(2) 被告天野は、三陽商事、三青商事、ユニオンプランニング及び日昇観光において山林原野の仕入れ全般を担当し、三陽商事や三青商事の経理総務の統括を行い、また、国土開発センターによる営業活動や国土観光の設立をも指示しており、本件各社の経営に関し重要な地位にあった。

(3) 被告金澤は、主として、三陽商事の営業部長として営業全般を指揮監督していた(なお、〈書証番号略〉及び被告金澤本人によると、被告金澤の平均給与は歩合給込みで約一〇〇万円程度であり、昭和五五年三月ころから同六一年六月ころまでの間に三陽商事から受け取った金員は合計約七三〇〇万円であると認められる。)。

(4) 被告千川は、三陽商事及び三青商事の総務経理を担当し、被告天野とともにその責任者たる地位にあった。

(二)  右被告ら四名は、右(一)のとおり、それぞれ本件各社の中心的人物として活動し、共同して他の従業員を指揮監督して、違法な本件商法(本件各取引)を積極的に推進したものであって、しかも、本件各社が一体となって一連の本件各取引を行っていたと評価できるので、右被告ら四名は、本件各取引により原告らが被った損害を賠償する責任がある(民法七〇九条、同七一九条一項前段)。

2  被告東

前記二1の認定事実によれば、被告東は、昭和五七年七月から昭和五八年一一月一九日まで名目上三青商事の代表取締役の地位にあったが、実質上は、株式会社むつの時代から営業の中心的人物として活動し(〈書証番号略〉によると、被告東は、昭和五六年二月ころから三陽商事の福岡営業所の責任者として活動していたことが認められる。)、営業のセールストークを他の社員に教示し営業指導をするなどしていたものである。したがって、たとえ代表取締役の地位が名目的なものではあっても、その職務を行うに当たり少なくとも重大な過失があったというべきであるから、その代表取締役在任中に行われた違法な本件詐欺商法(契約番号7、同13の1、同14の1、同15の1、同22の1、2の各取引)につき、右各取引により原告らが被った損害を賠償する責任がある(商法二六六条の三)。

3  被告野口

前記二の1の認定事実によれば、被告野口は、昭和五七年七月から名目上三青商事の取締役の地位にあり、実質上は、主として株式会社むつ及び三陽商事の総務社員として活動していたものであるから、その取締役在任中に行われた違法な本件詐欺商法(別紙「責任原因一覧表」の被告野口欄記載の契約番号の各取引)につき被告東と同様に、右各取引により原告らが被った損害を賠償する責任がある(商法二六六条の三)。

4  被告柳生

前記一及び二1の認定事実によれば、被告柳生は、昭和五七年七月から昭和五八年一一月一九日まで名目上三青商事の取締役の地位にあり(被告柳生本人は、昭和五八年五月には三青商事を退社していたと供述するが、右供述を裏付ける証拠はなく、採用できない。)、実質上は、三陽商事及び三青商事の営業社員として活動し、勧誘文言の内容が虚偽であることを知りながら、契約番号4及び同7の取引の勧誘を行うなどしていたものである。したがって、その取締役在任中に行われた違法な本件詐欺商法(契約番号7、同13の1、同14の1、同15の1、同22の1、2の各取引)については被告東と同様に(商法二六六条の三)、直接勧誘行為をした契約番号4の取引については違法な本件詐欺商法に加担した者として(民法七〇九条、同七一九条一項前段)、右各取引により原告らが被った損害の賠償をする責任がある。

5  被告今井

前記一及び二1の認定事実によれば、被告今井は、昭和五七年七月から名目上三青商事の監査役の地位にあって、実質上は、三青商事の営業責任者として、その営業を管理統括するとともに、契約番号16、同17の2の取引の勧誘を行うなどしていたものである(〈書証番号略〉によると、被告今井の月額平均給与は、歩合給込みで約一〇〇万円であったと認められる。)。したがって、その監査役在任中に行われた違法な本件詐欺商法(別紙「責任原因一覧表」の被告今井の責任原因の番号「⑩」「⑩⑪」「⑩⑪⑫」「⑩⑫」の各欄記載の契約番号の各取引)については被告東と同様に(ただし監査役として(商法二八〇条、同法二六六条の三))、直接勧誘行為をした契約番号16、同17の2の取引については違法な本件詐欺商法に加担した者として(民法七〇九条、同七一九条一項前段)、右各取引により原告らが被った損害を賠償する責任がある。

なお、原告高木武男は、被告今井に対して、契約番号4の取引について、三陽商事の役員としての責任及び商法二六六条の三の責任を追及するが、被告今井については三陽商事の役員となった事実を認めることはできないから、右請求は理由がない。

6  被告橋本

前記二1の認定事実によれば、被告橋本は、昭和五五年一月から昭和五九年一〇月二二日まで名目上三陽商事の代表取締役の地位にあり、被告天野とともに総務関係の中心的地位にあったものであるから、その代表取締役在任中に行われた違法な本件詐欺商法(責任原因一覧表の被告橋本欄記載の契約番号の各取引)につき被告東と同様に、右各取引により原告らが被った損害の賠償をする責任がある(商法二六六条の三)。

7  被告山本

前記二1の認定事実によれば、被告山本は、昭和五五年一月から名目上三陽商事の取締役の地位にあったもので、実質上は株式会社むつ、三陽商事及び三青商事の総務社員並びに被告今井や被告金澤らの運転手をしつつ行動を共にし一連の欺罔行為に関与していた(被告山本本人、〈書証番号略〉)。したがって、その取締役在任中に行われた違法な本件詐欺商法(別紙「責任原因一覧表」の被告山本欄記載の契約番号の各取引)につき被告東と同様に、右各取引により原告らが被った損害を賠償する責任がある(商法二六六条の三)。

8  被告磯山

前記一及び二1の認定事実によれば、被告磯山は、勧誘文言の内容が虚偽であることを知りながら、三青商事の営業社員として、契約番号3の4、同11の4、同12の4ないし6、同13の5ないし7、同15の2ないし6、同17の2、同20の4ないし9の各取引の勧誘を、三陽商事の営業社員として契約番号19の3の取引の勧誘をそれぞれ行ったのであるから、違法な本件詐欺商法に加担した者として、右各取引により原告らが被った損害を賠償する責任がある(民法七〇九条、同七一九条一項前段)。

9  被告松本

前記一及び二1の認定事実によれば、被告松本は、勧誘文言の内容が虚偽であることを知りながら、三青商事の営業社員として、契約番号3の1の取引の勧誘を行ったのであるから、違法な本件詐欺商法に加担した者として、右各取引により原告が被った損害を賠償する責任がある(民法七〇九条、同七一九条一項前段)。

10  被告森園

前記一及び二1の認定事実によれば、被告森園は、勧誘文言の内容が虚偽であることを知りながら、三陽商事の営業社員として、契約番号1の5の取引の勧誘を行ったのであるから、違法な本件詐欺商法に加担した者として、右各取引により原告が被った損害を賠償する責任がある(民法七〇九条、同七一九条一項前段)。

11  被告平田

前記二1の認定事実によれば、被告平田は、昭和五八年一一月一九日から名目上三青商事の代表取締役の地位にあり(〈書証番号略〉によると、被告平田は代表取締役の名義貸料として一か月一〇万円の金員を受け取っていたものと認められる。)、実質は営業社員として活動していたものである(〈書証番号略〉によると、被告平田は三青商事から給料として月額三〇万円ないし五〇万円を受け取っていたことが認められる。)から、その代表取締役在任中に行われた違法な本件詐欺商法(別紙「責任原因一覧表」の被告平田欄記載の契約番号の各取引)につき被告東と同様に、右各取引により原告らが被った損害を賠償する責任がある(商法二六六条の三)。

四争点4(過失相殺の有無)について

前記二1の認定事実によれば、被告らは組織的・継続的に顧客の落ち度を誘発させ、これを利用して欺罔行為を行い、原告らに本件各土地を売り付けるなどして金銭を支払わせて損害を与え、右出捐相当額の利得・消費を行ったものである。このように、被告らは原告らの落ち度を意図的に誘発・利用し原告らに損害を与えることによって対応する利益を得ているので、原告らに何らかの落ち度があったとしても、過失相殺制度の根本にある公平の理念にかんがみ、被告らが過失相殺を主張することはできないものと解するのが相当である。よって、被告らの過失相殺の主張は理由がない。

五争点5(損益相殺の有無)について

前記二1(一)の認定事実によれば、本件各土地は昭和五五年から六一年にかけてはおおむね一平方メートル当たり一〇〇円ないし三〇〇円の価格で取引されており、道路に面し、集落に近い場所であっても、一平方メートル当たり五〇〇円程度の価格にとどまる。しかも、本件各土地のように細かく分筆された場合には市場価格を付けるのも困難な程価値が乏しくなり、現状のままでは利用可能性又は換金可能性はなく、右時点以降現在に至るまで右状況が変化したことを認めるに足りる証拠はない。したがって、原告らにとって、本件各土地は無価値なものであるというほかないので、損益相殺として本件各土地の価額を考慮する余地はないと いわざるを得ない。

六損害額について

1 以上によれば、被告らは、それぞれ原告らに対し、本件各取引のうち前記三により責任を負うべき取引における原告らの支払金額相当額を賠償する義務を負うというべきである。

2  弁護士費用

原告らが本件訴訟の追行を弁護士である原告ら訴訟代理人に委任したことは裁判所に顕著な事実であり、本件事案の性質、右認容額等に照らすと、被告らが原告らに対して賠償すべき弁護士費用は、別紙「請求金額及び認容金額一覧表」記載の認容金額の弁護士費用欄の各記載額をもって相当とする。

七まとめ

よって、原告らの本訴各請求は、主文一項掲記の限度で理由があるが、その余の各請求は失当である。なお、訴訟費用については、民訴法九二条ただし書を適用して、その全部を被告らの負担とする。

(裁判長裁判官大谷種臣 裁判官大門匡 裁判官小倉哲浩)

別紙請求金額及び認容金額一覧表

別紙

取引目録(1)

契約番号

原告

(買主)

販売会社

物件名

契約日

昭和.年.

月.日

売買代金

支払日

昭和.年.

月.日

支払金額

勧誘員

勧誘文言・方法

所在

地目

面積

m2

1の1

池内清雄

三陽商事

青森県上北郡野辺地町字向田98―52

原野

165

56.11.2

125万

56.11.2

125万

上田豪二

「むつ小川原開発で、国と青森県が事業開発を行っており、この付近の土地を買っておくと、5年後には2倍強に売れる。当社が責任をもって転売する。貯金よりも率がいい。もし会社が倒産しても国の開発地区になっているので、買取りしてくれる。土地の状況は、年1、2回ぐらい電話又は訪問をして状況を報告する。」

1の2

同上

同上

同郡六ケ所村大字倉内字笹崎

1447―35

原野

165

56.11.16

125万

56.11.16

100万

金本こと森口茂雄

1の3

同上

同上

同郡野辺地町字向田75―532

原野

165

58.7.9

55万

58.7.15

55万

同上

「転売するには、会社の方針としては多くの区画数を持っている人から、順次転売して行くということであり、ランクがAランク、Bランク、Cランクとあり、あなたの所は現在Cランクに当たり、現在のままではなかなか転売は難しいので、更にもう一区画買ってほしい。」

1の4

同上

同上

同郡横浜町字二又512―37

山林

165

60.1.15

130万

60.1.15

60.3.27

1万

79万

篠原収司

「転売してあげるが、税金対策のために代替地を購入して下さい。代替が自分の方で都合できない場合には会社が世話してあげます。もしも代替地が購入できない場合は、会社としても企業に対して転売するのは難しい。転売の方法は個人転売と法人転売があり、個人転売だといつ転売できるか分からない。法人転売だと来年の4、5月までには転売できる。現在だと2倍ぐらいの値段で売れる。」

1の5

同上

同上

同郡東北町字ガス平1052―16

原野

82

60.8.7

90万

60.8.7

60.8.30

1万

69万

森園嘉春

「前回説明した時より土地の値段が上がってきたので、もう一区画購入してもらって税金対策をしなくてはならなくなった。前回説明のときより転売状況が良くなったので、9月下旬までには転売できる。」

〈取引目録(2)~(24)省略〉

別紙

取引訂正目録(1)

契約

番号

原告

(買主)

販売会社

物件名

契約日

昭和.年、

月.日

売買

代金

支払日

昭和.年.

月.日

支払

金額

勧誘員

勧誘文言・方法

所在

地目

面積

m2

1の1

上田豪二

金本茂雄

1の2

100万

金本茂雄

1の3

58.7.9

58.7.15

2万

53万

1の5

同郡東北町字ガス

平1052―52

〈以下、省略〉

別紙

責任原因一覧表

被告

責任

原因

契約番号

長谷川

1の1~5、4、9の1,2、10の1,2、12の7、18の1,2、19の1~4

3の1~4、5の1~36、7、8、11の1~9、12の1~6、13の1~7、14の1~3、15の1~6、16、17の1~3、20の1~9、21、

22の1~5、23の1~3、24の1~6

3の5、12の8、13の8

2、6の1

6の2

9の3

天野

1の1~5、4、9の1,2、10の1,2、12の7、18の1,2、19の1~4

3の1~4、7、8、11の1~9、12の1~6、13の1~7、14の1~3、15の1~6、16、17の1~3、20の1~9、21、22の1~5、

23の1~3、24の1~6

3の5、12の8、13の8

2、6の1

6の2

9の3

金澤

1の1~5、4、9の1,2、10の1,2、12の7、18の1,2、19の1~4

3の1~4、5の1~36、8、11の1~9、12の1~6、13の1~7、14の1~3、15の1~6、16、17の1~3、20の1~9、21、

22の1~5、23の1~3、24の1~6

3の5、12の8、13の8

2、6の1

6の2

9の3

②⑫

7

千川

1の1~5、4、9の1,2、10の1,2、12の7、18の1,2、19の1~4

3の1~4、5の1~36、7、8、11の1~9、12の1~6、13の1~7、14の1~3、15の1~6、16、17の1~3、20の1~9、21、

22の1~5、23の1~3、24の1~6

3の5、12の8、13の8

2、6の1

6の2

9の3

⑧⑪

7、14の1、15の1、22の1,2

⑧⑪⑫

13の1

野口

⑩⑪

3の1~4、5の1~36、7、8、11の1~9、12の1~6、13の1~7、14の1~3、15の1~6、16、17の1~3、18の1,2、20の1~9、21、22の1~5、23の1~3、24の1~6

柳生

⑩⑪

14の1、15の1、22の1,2

4

⑩⑫

7

⑩⑪⑫

13の1

今井

3の1~4、5の1~36、7、8、13の1,3~7、14の1~3、

15の1~6、20の1~9、21、22の1~5、23の1~3、24の1~6

⑩⑪

11の1~9、12の4~6

⑨⑪

4

⑩⑪⑫

10の1、12の1~3

⑩⑫

13の2

16、17の2

橋本

⑦⑪

1の1~3、4、18の1,2、19の1~4

⑦⑪⑫

9の1、10の1

山本

⑨⑪

1の1~5、4、9の1,2、10の1,2、12の7、18の1,2、19の1~4

磯山

3の4、11の4、12の4~6、13の5~7、15の2~6、17の2、

19の3、20の4~9

松本

3の1

森園

1の5

平田

⑧⑪

3の1~4、8、11の1~9、12の1~6、13の2~7、14の2,3、15の2~6、20の1~9、21、22の3~5、23の1~3、24の1~6

この一覧表において①~⑫の番号を、次の意味で用いる。

①三陽商事の実質的経営者として、役員及び従業員を指揮、指導し各販売行為を行わせたことによる共同不法行為責任

②三青商事の実質的経営者として、役員及び従業員を指揮、指導し各販売行為を行わせたことによる共同不法行為責任

③日昇観光の実質的経営者として、役員及び従業員を指揮、指導し各販売行為を行わせたことによる共同不法行為責任

④ユニオンプランニングの実質的経営者として、役員及び従業員を指揮、指導し各販売行為を行わせたことによる共同不法行為責任

⑤国土開発センターの実質的経営者として、役員及び従業員を指揮、指導し各販売行為を行わせたことによる共同不法行為責任

⑥国土観光の実質的経営者として、役員及び従業員を指揮、指導し各販売行為を行わせたことによる共同不法行為責任

⑦三陽商事の代表取締役として、他の役員及び従業員を指揮、指導し販売行為等を行わせたことによる共同不法行為

⑧三青商事の代表取締役として、他の役員及び従業員を指揮、指導し販売行為等を行わせたことによる共同不法行為

⑨三陽商事の役員として、従業員を指揮、指導し販売行為等を行わせたことによる共同不法行為

⑩三青商事の役員として、従業員を指揮、指導し販売行為等を行わせたことによる共同不法行為

⑪商法二六六条の三に基づく取締役責任

⑫販売行為を直接担当した者としての不法行為責任

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